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中本修平氏の講演感想

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そうそう、先日あったHRDの中本修平氏の講演会の感想などを書きます。

パワーポイントを使って、F1とは何ぞやと分かりやすく説明していただけました。
かれこれ20年近くF1を観てる人間からすれば、物足りない内容ではありましたが
後半の質問タイムなどは、非常に面白かったです。

中本さんの印象は、レースが好きで、負けず嫌いで
眼光の奥に技術に対する熱い闘志を感じました。
話を聞くのはいいけど、仕事でお付き合いしたり、部下になると大変かなぁって感じ (w

「自分で考えて動く」「とにかくチャレンジしてみる」「失敗した中から学ぶ」
心に留めて、精進しますです。
ここからは、備忘録も兼ねて少し濃い内容を書いておきます。
長文はご了承ください。

スライドの中には、
今年版ホンダエンジンのピークパワーが950ps以上出ているが
フェラーリは920psくらい(来年BARへ移籍するバリチェロ談)だ、とか
エンジン重量が90kgくらいで18000rpm以上まわる、
NSXのエンジンと比べて、こんなに小さいのだ、など
興味を引く数値がいくつかありました。

~製作について~
エンジンの製作行程をビデオで見せてもらえたのですが
砂型からアルミ鋳造のエンジンブロックを作り、クランクシャフトをバランス取りし
カムカバーをネジ止めするまで、すべて手作業。
当たり前と言えばそうなのですが。
クランクシャフトをNCで削る場面などは、丁寧にシャフトにモザイクも入ってました。1μmのオーダで精密に製作し、仕上げはもちろん、その道の職人さんが手仕上げ。
2人でエンジンを組み立てるのに約3日かけるそうです。

~試験、テストについて~
ウィンドトンネルのビデオもありました。
使用しているのは1/2スケール。驚いたのは、1/2スケールモデルまでカーボンで作ってあった事。表面状態とかの再現のために必要なんでしょうか?
ウィンドトンネルにかける前にもCFDで十分検討していました。
BARで良さそうだと判ったデザインでもHRDで検討して、もっと最適な解が無いかを探り、それをBARにフィードバックする体制も確立しているとの事。

~レース前~
レース前の検討では、GPSデータを基にコースをモデリングし
それにマシンの(去年あるいは今年の)走行データを重ねる事で
1ラップ毎のレース展開を、ライバルチームのマシンも含めて
完全シミュレートできるようになっています。
燃料搭載量や戦略を立てるのにも使われますし
レース後の解析にも使っているそうです。

~レース中~
レース中のデータ収集も十分なされていて、テレメトリは当然ながら
オンボードカメラがある場所に、それぞれのタイヤを狙える赤外線カメラを仕込んでいて
走行中にリアルタイムでタイヤの表面温度を記録しているそうです。
加減速中、コーナリング中など、車体の挙動とともにタイヤの温度が変化するのが一目瞭然。
他にもレース中、ホームストレートを通過する時に赤外線カメラで他のチームのマシンを狙って
主にタイヤ温度を記録しているらしい。
ディジタル技術の脅威というやつですね。

~レース後~
レース後の解析もすすんでます。
レース中の映像を画像処理し、同じ複合コーナを抜けて行く
アロンソのマシンと琢磨のマシンを重ね合わせることで
どこで琢磨が速いか、遅いかといった解析をおこなっていたり
先のGPSを使ったレースレビューもしているらしい。

力説されていたのが、独自に開発した27自由度をもつDVS (Dynamic Vehicle Simulation)。
データを入れると、バンプや前後横Gなど、走行状態をシミュレートできるそうです。
他チームを含め、世間では7自由度のシステムが一般的らしいですが
ホンダは独自に27自由度のシステムを作り、耐久性テストや解析に使っているらしいです。

このあたり、ホンダはF1では後発であるが故の経験の無さを
データ等で数値化する事で、ライバルに追いつこうというコンセプトらしい。
その上でのGPSシミュレートであり、解析技術であり、DVSであるようです。

来年はさらにレギュレーションが厳しくなります。
今はテストの真っ最中で、お忙しそうです。
なんでも、1年のうち、日本にいるのは合計しても1週間程度らしいですし。


後半の質問コーナーでは、おれが申し込む際に事前に質問した項目を読んでもらえてよかった。
ホンダが車以外で頑張っているロボットや航空機の技術のフィードバックはあるのかと。
答え、Yes。
詳細は話されませんでしたが、ロボットからは電子制御技術を、航空機からはカーボン素材についてフィードバックを受けているそうです。

ぶっちゃけ、技術を金で買ってるとも言っておられました。
特殊な金属、特殊な加工、特殊な処理....
その結果が、3リッターで1000psに届かんとするパワーを出せる理由だとも。

HRDは人材不足だそうで(w
CFD等、流体を勉強した人が欲しいと言っておられました。
ただ、成績がいいだけの人はいらないと。
テストの成績がいいとは、すなわち、「教わった事が100%理解できてますよ」という指標であって
我々のように、誰もやった事が無い未知の事をやる上では
アイデアを実行できる実行力、チャレンジ精神、論理的な思考ができる事が重要とのこと。
あとは、失敗してもくじけず、失敗の中から新たな発見を見いだす事が大切。

おれは流体分かりませんが、いりませんかぁ!?

Comment

講演がとても面白かったということが十分に伝わりますw
こっちは、最近になって、車に興味を持ち始めました。
今までは、乗れれば良しという考えだったんですけど、雑誌や本を読むと色々な技術が使われているということが分かって、面白いなと思うようになりました。
ただ、知っただけで終わって、実際に活用する(新たな発想に結びつける等)ことがないので、ちょっとむなしくもありますが…
  • 2005/11/27 12:56
  • kmatumot
  • URL
  • Edit
確かにいろんな技術が投入されてて、面白いよね。
個人的には、車の基本的な性能に関わる所では
結構枯れてきたかなって感じを持ってます。
あとは、エコロジーと車両の制御も含めたユーザフレンドリさ辺りが
今後詰まっていく所ではないかと。
すぐに役立つ情報でなくても
ふとしたきっかけで役立つ事もあるかもしれんから
あまり悲観的にならないようにしようよ。
大学でもそんな勉強したワケだし、知るだけでも楽しいぢゃん (^-^
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